自己破産 流れを徹底解説|申立てから免責までの全手順と実務ポイント

自己破産 流れを徹底解説|申立てから免責までの全手順と実務ポイント

自己破産相談弁護士

この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論:自己破産は「借金を法的に免れるための手続き」で、準備を怠らなければ流れは明確です。本記事を読むと、申立てに必要な書類、裁判所での手続きの流れ(同時廃止/管財)、予納金や弁護士費用の目安、免責を受けるポイント、そして免責後の生活再建まで、初めてでも迷わない実務的なステップがわかります。手続きの途中でやるべき行動や、よくある落とし穴も具体例で解説しますので、次に何をすべきか明確になります。



注意(重要)

本記事は一般的な解説です。個別の法的助言が必要な場合は弁護士や司法書士など専門家に相談してください。

1. 自己破産の前提と判断の基本—「まずこれだけは押さえよう」

自己破産とは何か(目的と効果)
- 自己破産は、支払不能な債務を裁判所で清算し、原則として債務の支払い義務を消滅させる手続きです(免責)。これにより住宅ローン以外の原則的な借金が法的に整理されます。
- ただし、税金や養育費、罰金など一部の債務は免責されない場合があります(非免責債権)。
自己破産の適用要件(いつできるか)
- 「支払不能(支払能力がない)」であることが要件です。一般的には長期にわたり返済不能な状況、生活費を超えた借金残高等が該当します。裁判所は収入・資産・将来の収支などを総合して判断します。
任意整理・個人再生との違い(選択肢比較)
- 任意整理:債権者と交渉して将来利息カットや返済期間延長を図る。住宅ローンを残したい人向け。
- 個人再生(民事再生):借金の一部を原則として大幅に圧縮し、住宅ローン特則で家を残せる場合がある(再生計画認可が必要)。
- 自己破産:免責を得て債務を原則消滅させるが、財産の処分や一定の資格制限などの影響がある。
公的機関・裁判所の役割
- 申立ては地方裁判所(通常は住所地を管轄する簡易裁判所ではなく地方裁判所の破産部門)で行われ、破産管財人(破産管財人が選任されるか否かで手続きの形式が変わる)や裁判所書記官が手続きを進行します。
生活実務上の影響(信用情報や財産)
- 免責決定後も信用情報(クレジット履歴)には事故情報が記録され、ローンやクレジットカードの利用は回復までに期間を要します。信用情報の登録期間は情報機関や記録の種類で異なります(以下で詳細説明)。
経験談(相談現場の実感)
- 私が弁護士事務所で同席した相談では、「まず通帳や契約書のコピーを揃えるだけで気が楽になった」と話す方が多かったです。準備が進むと裁判所の説明や費用見通しが明確になり、不安が小さくなるのを何度も見ています。

2. 自己破産の基本的な流れの全体像—初めてでも分かる道筋

2-1. 事前相談の重要性と受けられる支援
- 相談先:弁護士事務所、司法書士、法テラス(日本司法支援センター)など。法テラスは収入基準を満たせば無料相談や弁護士費用の立替支援を行うことがあります。
- 何を相談するか:総負債額の把握、家計表(収入・支出)、財産の一覧、債権者ごとの状況(リボ・カード・消費者金融・親族借入など)。
2-2. 申立てに必要な書類と準備の手順
- 基本書類リスト:破産申立書、債権者一覧表、財産目録(不動産、預貯金、車、高価品など)、収入・支出内訳書(給与明細、源泉徴収票)、預金通帳コピー、借入契約書・領収書、住民票、戸籍謄本(必要時)。
- 実務Tips:通帳は直近1年分以上、給与明細は直近3か月分を揃えると裁判所の審査がスムーズです。クレジットカードや電子マネーの利用履歴も確認しておきましょう。
2-3. 裁判所への申立てと開始決定までの流れ
- 申立てを裁判所に提出 → 裁判所が書類審査 → 破産手続開始決定(同時廃止または管財選択)または補正指示。
- 開始決定が出るまでは、債務者の財産処分は差し止められます(破産管財人が選任される場合は更に詳しい調査が行われます)。
2-4. 破産管財人の選任と財産調査の役割
- 管財事件では破産管財人が選任され、財産の換価(売却)や債権者への配当手続を行います。破産管財人は預貯金調査、登記の確認、関係者の事情聴取などを実施します。
2-5. 免責申立てと免責決定までのポイント
- 免責申立て後、裁判所は免責審尋(簡単な面談)や債権者の意見を聴取します。不正や資産隠匿、浪費など免責不許可事由があると免責が認められない場合があるため、正直に事情を説明することが重要です。
2-6. 免責後の生活再建と信用回復の実務
- 免責が確定すれば債務は原則消滅します。以降は家計再建、信用情報の回復、就業や資格の確認といったステップに移ります。日常生活の立て直しは、家計見直し・貯蓄計画・相談機関の利用が有効です。

3. 自己破産の流れ(申立て〜免責まで)を詳述—ケース別に具体的に

3-1. 事前準備と専門家への相談の進め方
- 初回相談で聞かれること:借金の総額、債権者数、支払状況、家族構成、保有資産(不動産・車・高額品)、収入と固定費。
- 相談のコツ:領収書や契約書、通帳、給与明細を持参。具体的数字があると手続きの見通しが立ちやすいです。
3-2. 申立て書類の作成と提出の具体手順
- 申立書の記載内容:氏名、住所、職業、債権者一覧(名前・住所・借入金額)、財産目録、免責理由や状況説明など。
- 提出方法:裁判所窓口に持参または郵送。弁護士を通す場合は弁護士がまとめて提出代行します。
3-3. 裁判所の審理と開始決定を受けるまで
- 書類不備があると補正(追加提出)を求められるので、提出前に専門家にチェックしてもらうと安心。開始決定後は債権者に公告(官報掲載)されることがあります。
3-4. 破産管財人の選任・財産調査・債権者集会の流れ
- 債権者集会:通常は書面だけで処理されることも多いですが、債権者から異議が出ると口頭弁論や集会が行われる場合があります。管財人は配当手続や債権調査報告書を作成します。
3-5. 免責の申立・免責判断の要点と期間
- 免責審尋が行われると、裁判官や管財人が借金の原因や経緯について尋ねます。ここで正確に答えないと不利です。期間は事件の種類で変わりますが、同時廃止は概ね3〜6か月、管財事件は6か月〜1年(複雑なケースはさらに長期化)となるのが一般的です。
3-6. 免責後の財産回復・信用情報の運用
- 免責後も一定期間はクレジットカードやローンの利用が制限されます。信用情報の事故情報は情報機関によって5〜10年程度残るケースが多いので、計画的に貯蓄を始め、将来の借入に備えます。
3-7. 実務上のよくあるトラブルと解決策
- よくあるトラブル例:財産隠匿の疑い、連絡不通による債権者からの異議、収入状況の急変。対策は早めの専門家相談と、資料をきちんと揃えることです。

4. 実務ポイントと注意点(手続きの“現場”で知っておくべきこと)

4-1. 同時廃止と管財事件の違いと影響
- 同時廃止:債務者に処分すべき財産がほとんどない場合に採られる方式で、破産手続開始と同時に破産手続が終了(同時廃止)するため短期間で終わる傾向があります。
- 管財事件:一定の財産があり、破産管財人が選任される場合。財産の換価や債権者配当手続が必要なので期間・費用が増えます。
4-2. 予納金・手数料・費用の内訳と支払いタイミング
- 裁判所関連費用(予納金):管財事件では裁判所が破産管財人のための予納金を求めることがあり、事件の規模によって数十万円に上ることがあります。一方、同時廃止では予納金が不要な場合が多いです。
- 弁護士費用:着手金・報酬・実費(コピー代、郵送費)など。相場は事務所や事件の内容で差がありますが、債務総額や複雑さで変動します。費用見積りは相談時に確認しましょう。
4-3. 財産の取り扱いと隠匿禁止の具体例
- 隠匿行為は絶対に避けるべきです。例えば預金を引き出して親族に預ける、車や不動産を名義移転するなどは発覚した場合免責不許可の原因になります。正直に申告することが最良です。
4-4. 職業・資格への影響の実務的解釈
- 一部の公的資格や職業(例:弁護士、司法書士のような一定の資格)に制約がある場合がありますが、一般的なサラリーマンやアルバイトは直ちに資格剥奪されるわけではありません。職場への影響については就業規則や雇用形態で異なるため、事前に確認を。
4-5. 収入制限・生活費の管理と生活再建の第一歩
- 免責後はクレジットカード等の利用が難しくなるため、現金管理と予算立てが重要です。毎月の固定費の見直し、緊急時の生活費確保(3〜6か月分の生活防衛資金)をまず目標にしましょう。
4-6. 免責不許可事由とそれを回避するポイント
- 免責不許可事由の例:浪費やギャンブルによる借入、資産隠匿、申立て直前の偏頗弁済(特定債権者へ優先的に返済)など。回避方法は正直に事情を説明し、必要書類を提示して争点を明確にすることです。
4-7. 事業者の自己破産と再開可能性(事業への影響と再出発)
- 自営業者や法人代表者が自己破産する場合、事業用資産や法人との関係性を整理する必要があります。事業再開は可能ですが、信用回復と顧客・取引先への説明が課題です。税金や社会保険の未納がある場合は別途手続きが必要です。

5. ケース別ペルソナ別実践ガイド(4事例+共通チェックリスト)

5-1. 30代男性・正社員:現実的な流れと意思決定のポイント
- 状況:負債総額約400万円、月収25万円、家賃負担あり。任意整理で交渉したが厳しく、自己破産を検討。
- 流れのポイント:まず弁護士に相談→必要書類を揃える(給与明細・預金通帳等)→同時廃止の可能性が高く、手続き期間は3〜6か月。免責の可能性は高いが、クレジット利用は数年不可。
- 策略:家計の見直しと生活費の確保(3か月分)、会社への影響を最小限にするため事前に就業規則を確認。
5-2. 40代女性・自営業:事業財産の扱いと再起の道筋
- 状況:事業失敗で銀行借入や保証債務が累積。不動産(店舗併用住宅)あり。
- 流れのポイント:管財事件になる可能性高し。破産管財人による不動産の評価・売却手続が必要。事業用機器や在庫も換価対象。
- 策略:可能なら税理士や弁護士と協働し、法人倒産(会社整理)と個人破産の関係を整理。再起のための職業訓練や助成金の検討も重要。
5-3. 50代男性・サラリーマン:免責後の雇用・信用の現実
- 状況:住宅ローンは完済済み、個人の借入が多くなり自己破産を検討。
- 流れのポイント:免責が得られると債務は消滅。ただし信用情報は数年残るため転職や住宅ローンの新規借入は難しい。
- 策略:免責後は貯蓄計画を立て直し、中長期で信用回復を目指す。資格取得や副業で収入増を図るのが現実的。
5-4. 30代女性・専業主婦:家庭への影響と協力体制の整え方
- 状況:配偶者の借金が発覚し、家庭が債務の返済で逼迫しているケース。配偶者は自己破産を検討。
- 流れのポイント:配偶者の自己破産は家庭の生活に直接影響しますが、専業主婦自身の生活は通常借金の責任を負いません(連帯債務でない限り)。家庭の預金・財産が配偶者の申立てで換価対象になる可能性があるため注意。
- 策略:家計の分離や生活費の確保、専門家を交えた家族会議を行い、協力体制(親族サポートや公的支援)を整える。
5-5. 共通のアクションプランとチェックリスト(誰でも使える手順表)
- 1) 借金総額と債権者リストを作る(名前・残高・連絡先)。
- 2) 通帳・契約書・給与明細を準備。
- 3) 法テラスや弁護士に相談し、費用見積りを得る。
- 4) 申立て書類を作成し、裁判所へ提出(弁護士経由が安心)。
- 5) 裁判所・管財人の指示に従い、必要書類を追加提出。
- 6) 免責審尋に備えて事情説明を整理(ギャンブルや浪費が原因なら正直に説明)。
- 7) 免責確定後は家計再建プランを実行(貯蓄・予算・収入改善)。

6. 生活再建と再発防止の実践—免責後に何をすべきか

6-1. 免責後の資金管理と家計の再設計
- まずは短期の生活防衛資金(3か月〜6か月分)を確保。固定費(家賃、光熱費、通信費)の見直しを行い、支出を可視化することが再発防止の第一歩です。
6-2. 信用情報の回復とローン再取得の目安
- 信用情報機関に記録された事故情報は5〜10年で消えることが一般的です(機関や記録内容により差あり)。その後、クレジットやローンの申請は徐々に通りやすくなりますが、まずはクレジットカードのプリペイドやデビットで取引履歴を積むと良いでしょう。
6-3. 債務再発を防ぐための予防策
- 家計簿アプリで収支管理、定期的な家計レビュー、不要サブスクの解約、ギャンブル防止策(カードカット、家族に相談)などの実務策を導入しましょう。心理的な要因(ストレス・浪費癖)にはカウンセリングも有効です。
6-4. 専門家リソースの活用(法律事務所・司法書士・相談窓口)
- 免責後も税金や社会保険、職業問題などで専門家の助言が必要になることがあります。地元の弁護士会や自治体の生活支援窓口、ハローワーク等を積極的に利用しましょう。
6-5. 就業・資格の将来設計とキャリア戦略
- 転職やスキルアップで収入基盤を安定化させるのが最も現実的な再建路線です。職業訓練や公的な助成金、資格取得支援制度を調べて実行計画を立てましょう。

FAQ(よくある質問と答え)

Q1:自己破産をしたら全ての借金が消えるの?
A1:原則として免責が認められれば多くの個人債務は消滅します。ただし、税金や罰金、悪意の不法行為に基づく損害賠償など一部は免責されません。具体的な債務の扱いは専門家に確認してください。

Q2:破産すると家は必ず失うの?
A2:住宅ローンが残っていれば担保である不動産は処分される可能性が高いです。ただし、ローンが完済済みであれば同時廃止で保有できる場合もあります。事例ごとに判断が必要です。

Q3:手続きにかかる期間はどれくらい?
A3:同時廃止なら3〜6か月、管財事件なら6か月〜1年以上かかることがあります。事件の複雑さや債権者の数、財産の有無で変動します。

Q4:家族に影響は出る?
A4:配偶者や家族自身が連帯保証人でない限り、債務は本人の責任です。ただし、共有財産や家族名義に資産がある場合は裁判所の判断で影響が出ることがあります。

Q5:免責が不許可になることはある?
A5:あります。代表例は資産隠匿、故意の浪費、詐欺的な借入、偏頗弁済など。免責審尋で正直に事情を説明し、必要書類を提出することが重要です。

最終セクション: まとめ

この記事のまとめ(結論の再提示)
- 自己破産は「支払不能」を解消し、生活の再出発を図るための法的手段です。手続きには準備(書類収集、家計整理)、専門家の助言、裁判所の審査が必要で、同時廃止と管財事件で流れや費用、期間が大きく異なります。免責が認められれば多くの債務は消滅しますが、信用情報への記録や生活面での影響は一定期間続きます。
実務的なアドバイス(経験に基づく)
- まず相談。資料が揃うと見通しが立ちます。費用面は事前に見積もりを取り、費用が問題であれば法テラスなどの支援制度を検討してください。隠匿やウソは余計に不利になるので正直に臨むこと。免責後は家計見直し・貯蓄・スキルアップで長期視点の再建を。
最後に一言—迷っているなら早めに相談を
- 借金問題は放置すると状況が悪化します。まずは弁護士や司法書士、法テラスに相談し、具体的な進め方と費用を確認しましょう。あなたの次の一歩を明確にすることが生活再建の第一歩です。

出典(本文で触れた法令・統計・実務情報の参照先)
- 法務省:破産手続に関する統計および解説
- 裁判所(各地地方裁判所)による破産手続説明ページ
- 日本司法支援センター(法テラス)の自己破産に関する相談案内
- 日本弁護士連合会の破産・債務整理に関するガイド
- 信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)による信用情報の取扱説明

(注)上記は本文で参照した公的・専門機関の資料です。具体的な手続き・判断は個別事情により異なりますので、最終的には専門家の個別相談を受けてください。