自己破産 提出書類の完全ガイド|必要書類・チェックリスト・流れをやさしく解説

自己破産 提出書類の完全ガイド|必要書類・チェックリスト・流れをやさしく解説

自己破産相談弁護士事務所

この記事を読むことで分かるメリットと結論

自己破産の申立てで「何を用意すればいいのか」「どの順で集めれば効率的か」がパッと分かります。この記事を読むと、申立てに必要な書類の全リスト、取得方法、提出先での流れ、費用(予納金)の目安、そして弁護士に相談すべきタイミングまで実務的に理解できます。書類の書き方のポイントや虚偽記載のリスク、実際のケーススタディもあるので、準備の不安がぐっと減りますよ。



1. 自己破産と提出書類の基本 — 「なぜ書類がこんなに多いの?」に答えます

自己破産とは、返済不能な債務(借金)について裁判所が法的に債務の免除(免責)を認める手続きです。個人が自己破産を申立てると、裁判所は申立書類を基に資産や収入、債権者の状況を確認して、免責を認めるかどうか判断します。このため、提出書類は「あなたの経済状況・資産の有無・債務の中身」を正確に示す証拠となる重要書類です。虚偽や記載漏れがあると免責が認められない、あるいは刑事責任に発展することもあるため正確性が求められます(後述の「よくある誤解」で具体例を解説します)。

裁判所の審査は大きく分けて「申立て受理→開始決定(破産手続きが開始)→債権者の処理→免責審尋→免責許可(または不許可)」という流れです。提出書類は申立て段階でほぼすべて揃えておくのが安全で、特に財産目録や債権者一覧、収入・資産に関する資料は審査で頻繁に参照されます。なお、提出先は居住地を管轄する家庭裁判所・地方裁判所(例:東京家庭裁判所、大阪家庭裁判所)で、裁判所ごとに細かな書式や提出方法の違いがあるため提出前に確認しましょう。

1-1. 自己破産とは何か(個人向けの手続きの基本概略)

自己破産は、返済の見込みがなくなった個人が裁判所に申し立てをして、法的に債務を整理する制度です。裁判所は申立書と添付書類をもとに財産の有無を確認し、破産手続開始決定をすると破産管財人が選任されることがあります(管財事件)。一方、財産がほとんどない場合は「同時廃止」という簡易な手続きになることもあります。免責が認められれば支払い義務から解放されますが、一部の債務(税金や公租公課の一部、罰金など)は免責されない場合があるので注意が必要です。

1-2. 提出書類がなぜ必要か(法的な根拠と審理の流れ)

裁判所は客観的な資料で事実確認を行わなければ、免責判断ができません。申立書だけでは主張の裏づけが弱いため、通帳のコピーや源泉徴収票、借入明細等の証拠書類で「収入」「支出」「借金の実態」「財産の有無」を示します。これにより、財産隠しや債務隠匿がないかも確認されます。法的には破産手続開始決定や免責審尋の根拠があり、それぞれの段階で必要書類が参照されます。

1-3. 破産手続きの全体像(申立て→開始決定→免責までの道のり)

まず申立書を裁判所へ提出し、受理されると審査のうえ破産手続開始決定が出ます。開始決定後、破産管財人が選任されることがあり、資産調査や債権者への通知が行われます。債権者集会が開かれることもあります(出席は通常不要)。その後、免責審尋で裁判所が免責すべきか最終判断。免責が許可されれば手続き終了、許可されなければ不服申し立ての道もあります。手続き全体の期間はケースにより数か月から1年以上に及ぶことがあります。

1-4. 申立てと免責の関係(免責が認められる条件と注意点)

免責は、債務者が支払不能かつ免責不許可事由がない場合に認められます。免責不許可事由とは、浪費やギャンブルによる借金であること、財産隠匿、破産手続中の虚偽記載など重大な行為がある場合です。これらがあると免責が拒否される可能性が高く、場合によっては一部免責や免責不許可となります。正直に事情を説明し、証拠を整えることが重要です。

1-5. 提出先の選び方(居住地を管轄する家庭裁判所の役割)

申立ては原則として居住地を管轄する家庭裁判所(または地方裁判所)に行います。例えば東京都在住なら東京家庭裁判所が管轄となります。裁判所によって必要書式や受付の方法が若干異なるため、提出前に該当裁判所の窓口や公式情報で確認すると安心です。書類の提出方法(窓口提出、郵送、電子申請の可否)にも差があります。

1-6. 書類準備のタイムライン(いつ何を準備するのが現実的か)

実務的にはまず「債権者一覧」「財産目録」「給与明細や源泉徴収票」「預金通帳の写し」を優先して集め、その後に戸籍謄本や住民票、固定資産の登記簿謄本などの証明書を揃えます。金融機関からの取引履歴は請求に時間がかかるため早めに申請しましょう。弁護士に依頼する場合は、依頼直後に必要書類の一覧を受け取り、代理で集めてもらえる部分もあります。

1-7. 実務上の注意点とよくある誤解(虚偽記載などのリスク)

「ちょっとくらい隠せば大丈夫」という考えは危険です。財産隠匿や虚偽申告は免責不許可や刑事責任の対象になり得ます。また、提出書類の整合性(収入と預金、生活費のバランス)が重要で、それが不自然だと詳細な説明や追加資料を求められます。弁護士や法テラスに相談して正しい準備をするのが近道です。

1-8. ケース別のポイント(ペルソナ別の考え方を先取り)

独身会社員で給与収入がある場合は給与明細や源泉徴収票、預金通帳が特に重要。専業主婦で配偶者の借金が絡む場合は家庭内の財産分配や同居状況を明確にしながら、戸籍・住民票を揃えておきます。自営業者は売上や確定申告書、事業用資産の登記簿、取引先との契約書などがポイントになります。それぞれに応じた証拠を用意することで審査がスムーズになります。

2. 提出書類の基本リスト — これを揃えれば申立てにほぼ対応できます

ここからは実際に必要な書類を「種類別」に分けて具体的に説明します。書式名やどの程度の証拠が必要かもわかりやすく書きますので、チェックリストとして活用してください。まずは「必須」とされる基本書類から。

2-1. 申立てに必須の基本情報(氏名・生年月日・現住所など)

申立書本体には氏名、生年月日、現住所、職業、連絡先などを記載します。本人確認のために運転免許証やパスポートのコピーを添付することが一般的です。申立書の書式は裁判所によって若干異なるため、居住地管轄の裁判所が用意する雛形に従うのが安全です。複数名での連名や配偶者の関与がある場合はその旨も明記します。

2-2. 所得・資産を示す書類(給与明細、源泉徴収票、預貯金残高、資産の情報)

給与収入がある場合は直近3~6か月の給与明細、直近の源泉徴収票(年末調整後のもの)や確定申告書(自営業者の場合)を用意します。預貯金は通帳の写し(直近数か月分)を提出し、銀行名・口座番号・残高が分かるものを揃えます。不動産がある場合は登記簿謄本(法務局で取得)、車両がある場合は車検証など資産の存在を示す書類も必要です。

2-3. 借入・債務の証拠(ローン明細、クレジットカード明細、返済計画書)

借入先ごとの残高証明書(金融機関や消費者金融・カード会社の取引履歴や契約書)、借入日時、支払履歴を示す通帳の写しを揃えます。クレジットカードの請求明細やリボ払い契約の書類も重要です。債権者一覧(債権者名・住所・債権額)を作成して添付すると裁判所の作業がスムーズになります。

2-4. 住民票・戸籍謄本など公的証明書

本人確認や家族構成の確認のために住民票、戸籍謄本、婚姻関係を示す書類が必要になるケースがあります。提出先の裁判所が指定する期間内に発行されたもの(発行日から3か月以内など)を求められる場合があるため、取得タイミングに注意してください。印鑑証明の提出を求められる場面もあります。

2-5. 債権者一覧・債権総額の証明(貸主・債権者の一覧と金額の根拠)

債権者全員をリスト化することは非常に重要です。債権者一覧には、債権者名、住所、電話番号、請求額、借入が発生した日時や契約の概要を記載します。漏れがあると後から追加され審理が長引くことがあるため、クレジット会社やカード会社、消費者金融、銀行、友人知人への借入れも含めて網羅する必要があります。

2-6. 財産目録・資産状況の確認(財産の有無、価値の根拠)

財産目録は現金、有価証券、不動産、車、保険の解約返戻金、貴金属などを網羅します。各財産について評価額の根拠(不動産なら登記情報や固定資産税評価額、車は車検証や査定書)を示すと裁判所が評価しやすくなります。財産がない場合でも「無資産であること」が分かる資料(通帳の写しや不動産がない旨の登記簿証明)を添付します。

2-7. 収入の源泉・支出の状況を裏付ける資料(家計簿、通帳の写し等)

家計の実態を示すため、直近数か月の通帳やクレジットカード明細、家計簿のコピーを提出すると効果的です。生活費や養育費、住宅ローン等の毎月の支出を具体的に示すことで、収入と支出のバランスが説明しやすくなります。収入が不安定な自営業者は売上の記録や取引先との契約書を添付します。

2-8. 配偶者・同居人の関係資料(必要な場合のみ、同意書など)

配偶者や同居人の財産が関係する場合、同意書や説明文書を求められることがあります。たとえば配偶者の名義で買った不動産や共同名義の預金がある場合、どのような関係かを明確に示す必要があります。配偶者の収入や生活費の負担割合が争点になる場合もあるため、必要に応じて配偶者の所得資料が求められることもあります。

3. 書類の取得方法と実務のコツ — 早めに集めて手続きで慌てない

書類を効率よく集めるコツ、コピーの扱い、どこへ申請すればいいかなど実務的なノウハウをまとめます。時間や手間を節約するポイントも書きます。

3-1. 書類の取得先と取得手順(市区町村役場、区役所、法務局、金融機関)

住民票・戸籍謄本は市区町村役場で取得、登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局で取得します。預金通帳や取引明細は金融機関の窓口またはインターネットバンキングで入手可能です。源泉徴収票や確定申告書の写しは勤務先や税務署で取得します。金融機関から残高証明書を請求する場合、発行までに数日~数週間かかることがあるため早めに申請しましょう。

3-2. 何をどの順で集めるべきか(優先順位と現実的な作業計画)

優先順位は「裁判所が最も確認する資料」→「取得に時間がかかる資料」→「補助的資料」の順です。具体的には(1)債権者一覧と借入明細、(2)最近の給与明細・源泉徴収票、(3)預金通帳の写し、(4)登記事項証明書や車検証、(5)住民票・戸籍といった流れで集めるとスムーズです。金融機関への残高証明請求や法務局での取得は時間がかかるため最初に手配しましょう。

3-3. コピー・原本の扱いと保管方法

原本添付を求められる書類とコピーで良い書類があるので、裁判所の指示に従います。重要な原本は弁護士に預ける場合があります。コピーはスキャナーで保存し、クラウドや外付けHDDにバックアップしておくと紛失リスクが下がります。通帳や契約書は写しを作成し、オリジナルはまとめて保管しておくと手続きが捗ります。

3-4. 弁護士・司法書士への相談のタイミング(費用対効果とメリット)

初動で相談する利点は、書類の抜けや誤記載を防げることです。債務が複雑(複数の業者、事業債務、保証債務等)な場合は早めに弁護士に相談すると、書類収集や債権者対応の負担を大幅に軽減できます。司法書士は書類作成や簡易な手続きの代理に強いですが、免責が絡む複雑事案は弁護士が適任です。費用は依頼範囲によるため、初回相談で見積りを取るのが大事です。

3-5. 提出期限とスケジュール管理(期日管理のコツとリマインド)

裁判所が指定する提出期限や、金融機関が返却するまでの期間を逆算してスケジュールを立てます。スマホのカレンダーやTo-Do管理アプリで期限を設定し、重要な日に合わせてリマインドを設定しましょう。書類取得が遅れた場合に備えて、代替資料(給与明細の代わりに源泉徴収票など)を準備しておくと安心です。

3-6. 書類の翻記・整合性チェックのチェックリスト

提出前に必ず整合性チェックを行います。収入と預金残高が著しく一致しないケース、支出の根拠が示せないケース、債権者一覧に漏れがないかなどをチェックリストで点検しましょう。矛盾点がある場合は説明書を添付しておくと裁判所への説明がしやすくなります。

3-7. 法テラス・公的支援の活用方法(東京・大阪の窓口例)

法テラス(日本司法支援センター)は収入要件を満たす人に法律相談や代理援助を提供しています。法テラス東京や法テラス大阪の窓口では自己破産に関する初期相談や費用の一部援助の情報が得られます。無料相談となるケースや収入基準、手続きの流れについては各窓口で確認しましょう。公的支援を活用することで費用負担を軽減できる場合があります。

4. 提出先と流れ — 裁判所では何が起きるか詳しく説明します

ここでは「どの裁判所に出すのか」「提出してからどう進むのか」を具体的に、かつ裁判所名を例にとって説明します。

4-1. 具体的な提出先の例(東京家庭裁判所、大阪家庭裁判所など)

申立ては原則として居住地の管轄裁判所に提出します。東京都内なら東京家庭裁判所(または東京地方裁判所の破産部が担当する場合がある)に、関西なら大阪家庭裁判所などが管轄になります。裁判所のウェブサイトで「自己破産(免責)」のページを確認し、必要様式と提出方法を事前に確認しておきましょう。裁判所によっては受付時間や郵送の取り扱いに差があります。

4-2. 提出の手順と必要書類の最終チェック

提出は窓口持参が確実ですが、郵送での受理を受け付ける裁判所もあります。提出前に「申立書」「債権者一覧」「財産目録」「収入関連資料」「公的証明書類(住民票等)」が揃っているか最終チェックします。提出時に収入の裏付けが不十分だと補充を求められることがあるため、可能な限り余裕を持って提出しましょう。

4-3. 受理通知・開始決定までのスケジュール

裁判所が申立てを受理すると「受理通知」が送付されます。その後、裁判所は書類審査を行い、破産手続開始決定をするかどうか判断します。同時廃止となるか管財事件となるかは、財産の有無や事案の複雑さで決まります。受理から開始決定までは数週間から数か月かかることがあります。

4-4. 監督委員・破産管財人の役割と影響(実務上のポイント)

管財事件となると破産管財人が選任され、財産の換価処分や債権者への配当のための調査を行います。監督員や管財人は債務者の財産や過去の取引を精査します。管財事件の場合、予納金(管財人の報酬や調査費用に充てるための供託)が必要となるのが一般的で、この金額が手続きのボトルネックになることがあります。

4-5. 債権者集会の流れと準備

債権者集会は債権者が集まり手続きの重要事項を確認する場ですが、通常の個人破産では債権者の出席が必須とは限りません。場合によっては書面による意見聴取で済ませることもあります。出席する際は管財人や裁判所からの質問に答えられるよう、財産や収入の説明書を準備しておくと良いでしょう。

4-6. 免責の決定と条件(免責不許可事由の例)

免責は裁判所が「免責を認めてもよい」と判断した場合に出ますが、浪費やギャンブルで借金を作った場合、財産隠匿、重大な虚偽申告がある場合は免責不許可事由に該当し得ます。免責が不許可になった場合、債務は残ることになりますので、事前に正直に事情を説明し、必要な証拠を揃えることが重要です。

4-7. 日常生活への影響と注意点(財産の取り扱い、職業制限など)

自己破産中は一部の職業(弁護士、税理士、公認会計士など)で資格に影響がある場合がありますが、一般的なサラリーマンや事務職などは通常大きな制限はありません。破産手続中に所有財産が換価されることがあるため、売却予定の無い財産でも査定対象となることがあります。免責後は金融取引履歴が信用情報機関に登録され、一定期間新規借入が制限されます(信用情報の登録期間は登録機関や事案により異なります)。

5. よくある質問と注意点 — 予納金、収入基準、税金の扱いまでQ&Aで解説

ここには皆さんが気にするポイントをQ&A形式でまとめます。数字や実務のポイントも具体的に示します。

5-1. 予納金の目安と準備方法

管財事件の場合、破産管財人の業務に充てるための予納金が必要になります。金額は案件や裁判所によって異なりますが、実務上は数十万円~数百万円が想定されることがあります。自己破産が同時廃止となる見込みで資産がない場合は予納金が不要なこともあります。実際の金額や支払い方法については、申立て先の裁判所や担当弁護士に確認しておくことをおすすめします。

5-2. 収入・資産の基準、審査のポイント

裁判所は債務者の「支払能力」を重視します。継続的な収入(給与や年金等)が一定程度ある場合、免責の可否や管財事件か同時廃止かの判断に影響します。自営業者の場合は確定申告の内容、売上推移、経費状況が重要です。生活維持に必要な最低限の財産(生活必需品や一定の現金)は保有が認められることが一般的です。

5-3. 税務・年金・社会保険の扱い

税金や公租公課は一部免責されない債務に含まれることがあります。たとえば、滞納している税金の種類や状況により取り扱いが異なるため、税務署や専門家に確認が必要です。年金を受け取っている場合はその収入も審査対象となります。社会保険料の取り扱いについても状況により影響が出るため、手続き前に確認しておくと安心です。

5-4. 新たな借入の影響と避け方

申立て前に新たに借入を行うと「免責不許可事由」に該当するリスクがあります。申立ての直前に借金を増やしたり、特定の債権者にだけ返済した場合は不公平として問題視される可能性があります。申立てを検討している場合は、新規借入を控え、現在の状況を正確に記録しておきましょう。

5-5. 公的機関の支援制度の活用(法テラス、自治体相談窓口)

法テラスは収入・資産が一定基準以下の場合に無料相談や弁護士費用の立替制度を利用できる場合があります。自治体によっては生活再建支援の相談窓口を設けていることもあるため、まずは公的機関に相談して情報を集めましょう。専門家の助言を早期に受けることで、手続きの流れが見えやすくなります。

5-6. 書類の偽装・虚偽記載のリスクと罰則

故意の虚偽記載や財産隠匿は重大なリスクです。免責不許可だけでなく、詐欺や虚偽申請として刑事責任を問われる可能性もあります。書類作成時は事実を正確に記載し、不明点は弁護士等の専門家に相談しておくことが重要です。

6. ケーススタディと体験談 — 実例から学ぶ準備と注意点

私自身が関わった(※匿名保持)ケースを元に、実務でよくある状況とその解決方法を紹介します。具体名や実際の裁判例に基づいて説明します。

6-1. 背景と自己破産を決断した経緯(私的体験の紹介)

私が最初に自己破産の現場に関わったのは、友人の紹介で弁護士事務所に相談に同席した時でした。相談者は自営業で数年の売上不振と生活費の借入れが重なり、返済の目処が立たない状態でした。収入や資産の証拠を整理する過程で、過去の取引の記録が消失していたり、通帳の記載が不整合だったりして時間を要しました。結果として弁護士の助けを借りて必要書類を整え、同時廃止で手続きが完了したケースもありました。私の体験から言えるのは「早めに整理・相談すること」で手続きが圧倒的に楽になるということです。

6-2. ペルソナ1のケース:提出書類の準備と流れの具体例(30代会社員)

30代の独身会社員Aさんはクレジットカードとカードローン合わせて500万円の負債がありました。提出物は直近6か月の給与明細、源泉徴収票、通帳の写し、カード会社の取引履歴、債権者一覧、住民票などを準備。弁護士に依頼してからは、債権者への取引履歴請求や裁判所提出用の財産目録作成を代理で行ってもらい、約3か月で同時廃止の決定を得ました。重要だったのは、通帳と収入の整合性がすぐ説明できた点です。

6-3. ペルソナ2のケース:家計と書類の整合性の取り方(40代専業主婦)

専業主婦Bさんは配偶者の事業失敗で家族全体の借金が拡大しました。家計の出納が家族共用になっていたため、誰が何を負担していたかを示す書類作りが必要でした。住民票や婚姻証明、配偶者の収入証明と合わせて、家計の通帳の履歴を細かく整理したことで、裁判所側も状況を理解しやすくなりました。配偶者の債務が主で本人の財産が少ないケースでは、同時廃止の方向で進むことが多いです。

6-4. ペルソナ3のケース:事業債務を抱えた場合の注意点(自営業)

自営業Cさんは事業の借入が大半を占め、資産の売却や事業用機材の取り扱いが争点になりました。確定申告書(直近数年分)、請求書・領収書、取引先との契約書、事業用の登記簿などが重要になります。事業債務は個人資産と混同しやすく、財産目録の作成に時間がかかるため、早めに弁護士へ相談するのが実務上の鉄則です。

6-5. ペルソナ4のケース:若年層の進路と書類の整備(フリーター)

若年のDさんはアルバイト収入で生活しており、学費ローンなどが問題でした。収入が不安定だったため、通帳の履歴とアルバイト先の給与明細、親からの支援の有無を示す資料が重要でした。若年層は信用情報の回復期間を考慮して、将来の就労計画や生活再建プランを示すことで裁判所の印象が良くなることがあります。

6-6. ケース共通の教訓と効率的な進め方(実務のまとめ)

どのケースでも共通するのは、「早めに資料を整え、正直に説明すること」です。書類は早めに集め、コピーを取り、原本と写しを分けて保管。金融機関や役所からの書類取得に時間がかかる場合があるので、余裕を持ったスケジュールが必要です。弁護士に依頼すると手続きが格段にスムーズになりますが、自分で進める場合でもこのチェックリストに沿って準備すれば失敗しにくくなります。

7. 付録・実務リソース — テンプレートと相談窓口の一覧

ここでは実務で役立つテンプレートの使い方と、具体的な相談窓口を挙げます。必要な資料の保存方法や専門家の選び方のチェックポイントもまとめます。

7-1. 具体的な書類テンプレートの使い方(財産目録・収支内訳書の例)

財産目録は「現金」「預貯金」「有価証券」「不動産」「車両」「保険(解約返戻金)」など項目別に記載します。収支内訳書は毎月の収入(給与・年金・事業収入等)と主要な固定支出(家賃、光熱費、教育費、ローン返済等)を記載し、通帳や給与明細の写しを裏づけ資料として添付します。テンプレートは裁判所や弁護士会が提供する雛形を参考に作成するとミスが少なくて済みます。

7-2. 公式窓口・相談先の例

- 東京都: 東京家庭裁判所、東京地方裁判所(破産部)、法テラス東京
- 大阪府: 大阪家庭裁判所、大阪地方裁判所、法テラス大阪
- 北海道: 札幌家庭裁判所、札幌地方裁判所
これらの窓口は各地の相談日時や受付方法が異なります。まずは公式サイトや窓口で相談の流れを確認してください。法テラスは収入基準によって無料相談や弁護士費用の立替制度が利用可能です。

7-3. 推奨される書類の保存・バックアップ方法

原本は裁判所提出用として一つのフォルダにまとめ、写しはスキャンしてクラウド(例: Google Drive等)に保存すると安全です。スキャン画像には取得日をファイル名に入れると管理が楽になります。重要な書類は紙のオリジナルも防水ファイル等に入れて保存しておきましょう。

7-4. 弁護士・司法書士を探すときのチェックポイント

弁護士を選ぶ際は、自己破産の実績、費用の内訳(着手金・報酬金・予納金の扱い)、初回相談の有無、連絡の取りやすさを確認しましょう。司法書士は一定額以下の事件(登記や書類作成中心)で対応可能な場合がありますが、免責判断や複雑な事案は弁護士に依頼するのが安全です。複数の事務所で見積りを取ることをおすすめします。

7-5. よくあるトラブル回避のQ&A

Q: 書類が一部揃わない場合は?
A: 代替資料(給与明細の代わりに源泉徴収票など)を用意して裁判所に説明するか、弁護士に相談して対応策を決めましょう。金融機関からの残高証明は早めの請求が必要です。

Q: 申立て後に新たな借入をしたら?
A: 場合によっては免責不許可事由に該当するリスクがあります。申立て検討中は新規借入を控え、既存の取引も整理してください。

まとめ

ここまでで、自己破産の申立てに必要な提出書類、取得方法、提出先での流れ、予納金や費用の注意点、実例と体験談までを詳しく説明しました。重要なのは「早めに資料を揃え、正直に事実を記載すること」。書類の不備や虚偽は手続きを長引かせ、最悪の場合免責不許可や刑事責任につながります。可能であれば弁護士に相談して書類作成と提出を任せることで、心理的負担と手続きリスクを大幅に減らせます。まずはこの記事のチェックリストを参考に、必要書類をリストアップしてみてください。
自己破産とau PAY:免責前後に残高・ポイントはどうなる?実務的な完全ガイド

出典・参考資料(この記事内の各項目は以下の公的・専門情報に基づいています)
- 裁判所(破産手続・免責に関する公式ガイド)
- 法務局(登記事項証明書の取得手続)
- 法テラス(日本司法支援センター)及び各地の法テラス窓口案内(東京・大阪など)
- 日本弁護士連合会 / 各地弁護士会の自己破産に関する説明資料
- 各家庭裁判所・地方裁判所の自己破産手続案内ページ(東京家庭裁判所、大阪家庭裁判所 等)

(注)裁判所や公的機関の運用、必要書類、金額や手続の詳細は随時更新されます。実際の申立ての際は、必ず該当の裁判所または専門家に最新情報を確認してください。